私のフェリーの過ごし方:寺田理弘さん/町役場
お名前を教えてください。
寺田理弘です。海士町役場で働いています。
海士にはどのような経緯で?
転職を考えていたときに、海士に住んだことのある親しい友人が求人を教えてくれました。埼玉県からのIターンです。
友人の紹介でいらしたんですね。
フェリーに乗ることは好きですか?
あまり好き嫌いで考えたことはなかったです。電車よりは好きですね。
生活には欠かせないですもんね。
揺れていなければなお好きです。
揺れがダメなんですね。
あと甲板に寝そべってお昼寝ができると、もっと好きになりそう。
布団でも敷いてやさしい風に吹かれたいですねぇ。(笑)
寺田さんにとってフェリーの出発点と終着点はどこになりますか?
そのままだけど、島と本土。
移住した当初は本土という言葉をほとんど使う機会がなかったけど、とても便利なことばだと知りました。
確かに、本土にいたら本土なんて使いませんもんね。(笑)
お気に入りの席はありますか?
なるべく空いているところですね。(笑)
わかります。
レインボーだったら右の窓側です。
「窓側」じゃなくて「右の窓側」っておっしゃるあたり、ツウな感じを出してきますね。(笑)
フェリーで必ず食べるものは?
お菓子と白湯かコーヒー。
まったりセットだ。
フェリーの中ではどんな風に過ごされてるんですか?
一人だったらスマホに映画をダウンロードしておいて観ることが多いです。
ぼーっと観れるやつ。
酔わないんですね。(笑)
今までに何回くらいフェリーは利用されてますか?
移住9年目です、100回くらいは利用しているかな?
そうか、9年もいるとそんなになりますね。
仕事が6割、2割が帰省、2割が遊びな感じですね。
何回もフェリーに乗っていると思い出もいくつかあるのではないでしょうか?
ありますね。
聞かせてください。
島後のマラソン大会に友人と出たときの帰りのフェリーで。
はい。
全身筋肉痛状態で、体痛いねー、風さむいねーと言い合いながら、フェリーの甲板でくつろいだことですね。
青春ですね。
帰るまでが旅とよく言うけれど、帰ったらゆっくり休めるうれしさと、フェリーが着いたら、練習からみんなでがんばったマラソンの旅が終わってしまうことへの一抹のさみしさがあり、それをよく覚えています。
素敵です。センチメンタルです。
これが電車を降りてのバイバイだったら、もっとそっけない帰路だったかも。
確かにそうですね。船だと余韻がすごそう…。
フェリーでこんなことできたらいいなぁっていう理想ありますか?
フェリーでうどんが食べたいです。
うどんですか…。
地元の方から「昔はフェリーでうどんが食べれておいしかった」という話を聞くたびに、今はなきうどんに思いを馳せます。(笑)
そうだったんですね。知らなかったです…。
それを聞くたびに無性にうどんが食べたくなるし、求めても食べれないところがロマン!ですね。
たしかに食べたいですけど、私には男のロマンまではよくわからないですね…。(笑)
フェリーをたくさん利用されている寺田さんですが、特に魅力的だなと感じる場面はどこですか?
お見送りです。
はいはい。
乗船口で別れた後、船の窓越しでもう一度バイバイをすることが、島に住むみなさんの当たり前のような気がしていて、ロマンチックというとちょっとこそばゆい感じがするけど、すてきなことだし、自分も大切にしたいことだなと思います。
私も見送ってもらったんですけど、お見送り、凄く素敵な文化だと思いました。
家族や親せき、親しい友達がお見送りしてくれると元気100倍気分ですねー。
ですです。
フェリーで隣の席に座っていてほしい人はいますか?
家族や友人かな。
理由をお願いします。
安心するからです。
気の置けない人と旅はしたいものです。
それでは最後に、寺田さんにとってフェリーとは?をお願いします、一言で!
「袖振り合うも他生の縁」
偶然誰かに再開できるとうれしい!
寺田さん、ありがとうございました!