03/離島にいるということ/駆け抜ける道

島にはいくつか道路が張り巡らされているが、そのうちメインの路線は島の外周に沿ってぐるっと敷かれている。

当たり前だが、もともと島に道路なんてものはなかった。人が住み着いて、車が通れるような幅のある道が必要になり、その部分の木々を伐採して、土を削り地盤を固めて、アスファルトで舗装がなされた。

当然のことながら、その道路から見える光景は周辺の環境によって異なってくる。例えば、もともと急な斜面のところに敷かれた道路からは開放的に海が見えるが、ちょっと緩やかな場所であれば茂る木々に視界を遮られる時もある。島の道路を走っていると、基本的にこの二つのパターンが繰り返される。

島の中には綺麗に海を見渡せることで有名なスポットがいくつかあるが、個人的には木々に囲まれた道も好きだ。なんだか優しく包まれているようで安心する。車で通り過ぎれば、脇にある木々の様相に従って光の差し方は細やかに変化し、そこから駆け抜けていく姿を木々に見守られているようだ。

しかし、これらは両者が存在するからこその違いであり、お互いがお互いの価値を支え合っている。片方がなくなれば、その価値は劇的に低下してしまう。島の中にこれだけあれば良いとか、これさえ無ければとか、そんなことはなくて。